延命山地福院の歴史

高野山真言宗 延命山法光寺地福院(えんめいざん ほっこうじ じふくいん) 

宗 祖   弘法大師空海
開 基   権大僧都 朝算(一五七七年三月二日 寂)
開 山   天正年間 (一五七三年~一五七七年の間)頃
御本尊   延命地蔵菩薩
脇尊    不動明王
      弘法大師

正式名称は、「高野山真言宗 延命山法光寺地福院」といいます。
たびたびの火災により資料の消失により、起源は定かではございませんが、天正元年から天正五年までの間に開基朝算(ちょうざん)によって開かれたと言われています。以前は、山下町の山前小学校の近くに位置していましたが、この天正年間に現在の場所に移動したのではないかと思われます。
 明治時代には、鹿島神社の西側にありました「円性寺(えんしょうじ)」が廃寺となり、地福院と統合し現在に至っております。また、当時の「円性寺」の庫裏は、山前小学校に移築され、小学校の講堂として長い間親しまれていました。
御本尊は、延命地蔵菩薩です。地蔵菩薩は、お釈迦様の命によって、仏滅後、五十六億七千年万年後に弥勒菩薩(みろくぼさつ)が現れるまで、我々の住む世界を守ることを使命としています。地獄・餓鬼(がき)・畜生・修羅(しゅら)・人・天上の六道の衆生(生きとし生けるもの)を教化(教えを説くこと)して救済につとめるという誓願を立て、この誓いを果たして一切衆生を救うまでは自らも成仏しないと決意しました。
 地蔵菩薩は暖かく堅固で大地のような御心と無限に広がる秘蔵(非常に大切なものの意味)なる慈しみをもって、我々のあらゆる願いを身近に聞いて下さり、叶えてくれます。また、亡くなった人々の苦しみを救い、穏やかな浄土へと導いてくれます。地福院の御本尊は特に、『長寿』のご利益が優れており、延命地蔵菩薩と呼ばれています。山門の入り口には「六地蔵」、境内にも「水子地蔵」・「念佛地蔵」・「子育て地蔵」などたくさんの地蔵菩薩が見守ってくれています。
 尊像は、左の手には如意宝珠、右の手には錫杖を持って座っている姿で、如意宝珠はあらゆる願いを叶えてくれることをあらわし、錫杖は常に我々の世界を巡っていることをあらわしています。

「近年の延命山地福院 沿革」
・昭和  五年 二十三夜尊大祭の時、花火の不発弾により、本堂・庫裏消失
・昭和三十八年 本堂新築
・昭和五十七年 書院新築、蔵の修復
・昭和五十八年 十七世 義澄大僧正遷化
・昭和五十九年 義澄大僧正一周忌記念 外香呂設置
・昭和六十二年 本堂周辺の整備、南側外塀工事
・平成  三年 庫裏修復
・平成  五年 二十三夜堂新築
・平成二十二年 本堂外壁、本堂内天井、護摩堂、渡り廊下修復
・平成二十三年 本堂内壁修復
・平成二十八年 庫裏屋根、2階修復